ポンポン山
「継体天皇三嶋藍野陵、今城塚古墳」のつづき。
13時50分、今城塚古代歴史館を出て東へ。清福寺交差点を左折、芥川沿いに北上し、名神高速の手前の交差点を右折、芥川を渡る。
200mほど進み左折、名神高速の高架をくぐる。少し道が上っている。郊外の住宅地という印象。
道なりに1㎞ほど進み、つきあたりを左折、府道6号に入り北へ進む。
2㎞ほど進むと、周りは田畑になってくる。
さらに1㎞ほど進むと新しい道を走っている。右手に「神峯山寺、本山寺、ポンポン山」の看板、そこを右折する。
400mほど上ると、左手に「林道・際面ヶ谷線」の看板がある新しい道があり、それを左折しさらに上っていくと、勧請掛の門、神峯山寺駐車場があった。14時。
どうやらここから先は「神峯山寺」と「本山寺」というお寺の参道になっているようだった。
勧請掛のワイルドな迫力に、なにか結界的な力を感じる。「ポンポン山」という名前がおもしろそうだから来てみたという自分には身の引き締まる思い。
頂上までどれくらいかかるものなのかわからなかった。暗くなるとまずい。今日のところは適当なところだけでも走らせてもらえそうだったら走って帰ろう。とりあえず舗装されているところまでカブ90で上がってみることにする。
※高槻市のHP ハイキングコースのご案内 ポンポン山縦走コースのご案内(PDF:570.9KB) - http://www.city.takatsuki.osaka.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/34/corse1.pdf
ギヤを落として急な坂道を上る。いつの間にか空は曇り、気温も下がってきたように感じる。山の空気、杉林の谷、雪が降ってきた、など。
結構上ったと思う。これは下から走って上がろうとしなくてよかった。
14時30分、本山寺の山門に到着。ここから先はは未舗装の山道。辺りには薄っすらと雪が積もっていた。寒い。手がかじかんでいる。
途中で見かけた看板によると、本山寺からポンポン山の頂上までは2.5㎞ほどとのことだった。
急に暗くなってきたこと、雪が降っていること、とても寒いこと、走って上がれるような山道なのか、上がって下りてどれくらいかかるのか、走れる服装に着替えるか、今回は登山ということにして厚着のままで歩いて上るか、迷った。20分ほど迷った。
暗くなりそうだったら引き返そうと決め、走る服装に着替え、14時50分ランニングスタート。
走り始めてすぐにクマ注意のお知らせがあった。いきなり気持ちにゆとりが無くなった。
山は静かだ。山道は、走れなくもないくらいのところもあり、傾斜が急なところもあった。横木を渡して階段にしてくれているところもあった。
スタートして10分ほどで天狗杉に到着。山への恐怖心からか、えー!まだ10分しかたっていないのー!?と思った。
気が付けば一面雪景色。こんなはずじゃなかったという思い。
この日もワラーチ(手作りサンダル)で来てしまっていた。滑る。五本指ソックスが冷たい。濡れる。
クマも怖い。出ないでほしい。
大きな声を出さない方がいいらしい。あわてて走って逃げない方がいいらしい。クマを見ながらゆっくりと後ずさりするのがいいらしい。突然おそわれたら、両腕で顔や頭をガードする。
何度も繰り返した。
大丈夫だろうか。
とにかく、出ないでほしいという思い。
気持ち(私がここにいますよ)と表現しながらの小走り。(あーとか、おーとか、独り言を言ってみるなど)
雪山のシーンが印象的だった映画を思い出しながらの小走り。(八甲田山、愛しのアイリーンなど)
祈りながらの小走り。
15時20分、ポンポン山頂上に到着。誰もいない。空は晴れた。
京都方面と、枚方、生駒山方面が見えた。帰ったら地図を確認してみようと思った。
15時30分、下山開始。
空が明るくなったからか、一度来た道なのでゴールまでの距離感がわかるからか、上りの時の恐怖心はほとんど無くなり、足取りは軽く、寒さもほとんど感じなかった。
真っ白な山道を軽快に下っている感じがする。両方の足の裏で山肌を感じている。心地よい跳ね返りの力がリズムよく全身に抜けていく。
自分は今、偶然にも、雪山トレイルランニングになっている。ここに来るまで今日がこんなことになるとは思っていなかった。
すごい。
静かな雪山の景色の中に自分しかいない。その中を走って下りていく自分の足音と呼吸の音だけが聞こえている。
何かとの謎の一体感。
たのしすぎる。
建物が見えた、と思ったら本山寺の裏から出てきてしまった。あ、終わってしまった、と思った。
「毘沙門天」
マニ車を回して、高い石の階段を下り、バイクを停めていた場所まで戻る。
15時55分、無事到着。
帰りは、来た道を今城塚古墳まで戻り、名神高速の南側の道を西に進み、太田橋で安威川を渡り、名神茨木IC西の大きな交差点で迷いつつ左折し、国道171号に入り、南に進み、なんとか府道14号に入り南へ進み、茨木を通り、千里丘を通り、吹田の片山商店街、アサヒビールが見えたとき、帰って来たぞ、と思った。
家に着いたら18時だった。
Twitterを見たら継体天皇に今城塚古墳のツイートをRTして頂いていた。真に畏れ多いことだった。