公園
ダウンタウンから歩いて30分くらいのところに、スタンレーパークと呼ばれる「公園」がある。そこにトーテムポールがあるというので行ってみた。
平日の午後だというのに、カナダの「公園」にはたくさんの人が。走り、歩き、自転車に乗り、インラインスケートをして。公園,公園、公園。自分が「公園」の文字から定義するスペースが、こっちの「Park」という単語が意味するスペースと異なっている。
スタンレーパークを1周するとおそらく15kmくらいあるのではないか。園内には適当なスポットごとに停車する循環バスが走り、誰もが無料でそれを利用することがキャン。できる。
自分もバスに乗って「公園」の一番奥まで行ってみた。イングリッシュベイに突き出た「半島」が「公園」なので、海岸線から船やダウンタウンの高層ビル群などが見える。
「公園」の一番奥から歩いて戻ってきたのだが、すごかった。
あれは、私たち日本人が言うところの「公園」ではなく「森」である。カナダの人に「夜の公園は危ない」と言われていたので、「夜の山下公園を女性一人で歩くと、チンコ見せてくる人とかがいて危ない」とか、そういう危なさを想像していたのだが、あれはそういうのではなく、普通に危ない。獣が出るかもしれない。
実際、森を歩いている間にも、ものすごい数のリスの群れ(何百匹)に遭遇したし、アライグマ、カモ、なんかよく分からない鳥、よくわからない小型哺乳類など、たくさんの動物、生物を見かけた。あれは森だ。でっかい木がたくさんある系の森だ。
森の中の山道のような森道は枝分かれしていて、疲れたら途中で循環バスが走る自動車用の道に出る事もできるらしい。自分はよく分からないままに歩いたので、どの道を通ったのかはっきりとは分かっていないが、森から出るのに結構な時間がかかった。
カナダの人たちは、日本でやると結構恥ずかしいくらいの本格的なピチピチスポーツウェアに身を包み、山道を走り抜ける。自転車で滑走する。日本人がウォークマンを買うときに「汗がイヤホンまわりの邪魔にならないか?」など、気にするだろうか。あの人たちはきっとそういうことも考えている。自転車を乗るときは最新化繊でできたピチピチのスパッツと、ウェアー、ヘルメット、グローヴ、ペダルに固定型のシューズ、流線形のサングラス。あの人たちをみていたら、自転車グッズ一式そろえたら自転車に乗るという感覚が変わるのかもしれないなと思った。
こっちの人は、結構本格的な、そういったアクティビィティを午前中に楽しみ、少し休憩し、ランチをとった後、午後からダウンタウンで、オフィスワークをこなす、と、いうような生活を送っている、らしい。公園で走りつかれたおじさんが言っていた。ストレスの溜まる前には仕事を切り上げ、ディナー、スポーツクラブなどでのフィットネス、そしてリラックス。
こういった生活と、自分が18年間見てきた私の父親の生活とを比較すると、結構強めの動揺が無きにしもあらず。