読んだ。 #アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか? #米田衆介

読んだ。 #アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか? #米田衆介
 
自閉症スペクトラム――発達障害に含まれる自閉症アスペルガー障害などは、それぞれ独立の疾患ではなく、虹やプリズムで分光した光の色彩が連続しているように、程度の差を伴って一つの連続体をなしている
 
ウイングの三つ組み仮説
①社会的相互干渉の障害-他者とうまくかかわれない
②コミュニケーションの障害-会話や意志の伝達が苦手
③想像力の障害-場の空気、暗黙の前提が分からない
 
・情報処理過剰選択仮説
①シングルフォーカス―注意、興味、関心を向けられる対象が、一度に一つ。大局がつかめない。部分的な局所に反応しやすい。木を見て森を見ない。田舎の駅、風景、人物、植物、列車、看板。
②シングルレイヤー―同時的、重層的な思考が苦手。文脈の手がかりを利用できない。多層性を持った思考。本、物理的(タイトル、内容、色、かたち、匂い、手触り、推定される重量)、文化的な価値(著者はどんな人なのか)、経済的な価値(だいたいの値段)、所有関係(だれの持ち物なのか)、社会的でシンボリックな作用(その本がそこに置かれていることの文脈、その本を手に取ることで他者はどう思うか。)個々の事柄の間に優先順位を付けにくくなる。
③ハイコントラスト―白か黒かのような極端な感じ方や考え方をすること。適当がわからない。満腹、空腹しかない。自己コントロールができない。
 
・記憶と学習の障害
・注意欠陥、多動
・自己モニター障害
・運動制御
・情緒制御
 
・猿山原理-マウンティング、集団の中での優位劣位の序列を確認する行為。一般の人は自分の社会的な地位が相対的に引き下げられることを極端に嫌う。
 
悪気はないけれど相手を怒らせる。普通の人が学習して身につけてしまった他者に関する内的モデルによる予測と、アスペルガー者の反応が食い違うから。
 
相手に合わせることができない。
可愛げがない。(相手の感情の変化に気がつかない→シングルレイヤー)
反応を返さない。(顔面の不器用さ)→自分の感情を示すサインが表示されないことが相手に不安を与えるということを理解できない。
話題となっている事実について考えているうちは、相手との間で成立する自分の感情についての検討は停止する。
 
服装、不潔を気にしない、挨拶ができない。非社会性。→他者の感情への無関心さと受け止められる。→他者の気持ちを考えるようにと指示するのはナンセンス。できるだけ因果関係や論理的関連性を明らかにする形で説明をする方が効果的。善悪などの価値の問題にせず、損得、慣習の問題として解決する方がよい。他者のない世界。
 
「普通の人はこう思うものだ」は不合理であるとして受け入れられない。普通の人は非合理な考え方をするものであると説明する方が生産的。
 
・過剰適応
うつ病→申しわけなさ、社会的な恥の観念
アスペルガー→ほかのやり方が思いつかない、やるべき程度がわからない
 
ふつうの人→本音、建前、どちらでもない本当の心を区別して生活している。三重構造。
アスペルガー→シングルレイヤー、3つの層で同時に考えることは無理
 
挨拶の仕方、会話をするときの規則、人にものを頼んだり断ったりするための規則+内的モデルの問題
 
・ふつうの人にとって「共感」は、自動的であると同時に強制的な力を持っている。アスペルガーは無視できる。シングルレイヤー思考
 
・ふつうの人が「ひとの心」と呼んでいるもの。(明示的ではない)他者の要求にこたえる能力に関する自己説明を可能にするような説明モデル。自分が他者の要求を推測し、滑らかにそれに従うことができる→実際には他社の行動の観察や、言語表現の解釈という情報源を用いて行われる自動的な推論。