読んだ。 #今すぐ知りたい日本の電力 明日はこっちだ #いとうせいこう

読んだ。 #今すぐ知りたい日本の電力 明日はこっちだ #いとうせいこう

 

今後の電力について、エネルギーについて考えるために、いとうせいこうさんが5人の業界の方にインタビューした本。
再エネは現在のところどうなっているのか、今後はどうなっていくのか、再エネ先進国といわれるドイツではどうなっているのか等。

現在直面しているエネルギー問題の解決には、技術の進歩だけでなく、多くの人々が電力やエネルギーに関する認識を見直す必要がありそう。

再生可能エネルギー(Renewable Energy)とは、石油や石炭、天然ガスといった有限な資源である化石エネルギーとは違い、太陽光や風力、地熱といった地球資源の一部など自然界に常に存在するエネルギーのこと

 

 

①電力問答 なぜ高くなった?/梶山喜規(株式会社UPDATER)

・そういうところに責任を持ってる人たちからしてみると、悪影響を与えそうなものっていうのは、あまり連系させたくないんですよね。

原子力発電を諦めないことで、たとえそれが動かなくても系統を空けておく状態が続く。

・FIT(固定価格買取制度)からFIP(フィードインプレミアム)

②自分でつくって自分で使う でんきバンク/前川久美(株式会社アイジャスト)

③光を分けて同時二毛作 ソーラーシェアリング/東 光弘(市民エネルギーちば株式会社/株式会社TERRA)

・ちょうどその事故というか、あの大震災の午前中、当時の政権は民主党だったんですけど、そこで固定価格買取制度〈FIT〉が国会を通ったんですね。

・ソーラーシェアリング。パネル自体が細くできていて、「上からの太陽光がパネルを抜けて下の土地にまで届く。つまり光をシェアしよう」って発想。

・ペロブスカイト太陽電池。部分的に影になっても、影になったところだけのパフォーマンスが落ちて、残りは普通にパフォーマンスする。

④自給を高める 米の産直から電気の産直まで/三浦広志(特定非営利活動法人 野馬土)

・世界中で主流になっていた超大規模経営農業は、有機物の補充なんていうすぐにはお金にならないことはおろそかにして、遺伝子組み換え技術なんかを利用しながら、化学肥料や農薬を使いまくって作物を増産し、目先の利益を優先してきました。その結果として作物をつくり続けられる土の力が維持できなくなり、いわゆる砂漠化が進んできたんです。その反省から国連は持続的に農業を続け、食料をつくり続けるためには、数千年続いてきた農業のビジネスモデル「家族農業」の価値を見直そうということになったんです。
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農家所得ですが、フランスやイギリスでは9割、スイスに至っては100%以上が補助金です。

⑤価値の革命 エネルギー危機と世界/西村健佑(有限会社 Umwerlin)

ドイツ国内の電力は発電量に占める再生可能エネルギーの割合が40%を超えています。

・ドイツの場合は1986年にチェルノブイリ事故があり、そこから「再生可能エネルギーの電気が欲しい」という運動が「どんな電気を買うかは一般市民が自ら選べるようにして欲しい」という運動と並行してはじまりました。
 日本の場合、私の理解している範囲では、どちらかというと大企業さんが国際的に、例えばAppleさんとかGoogleさんと取引をする時に「再エネ電力使ってね」と求められるようになったので「こりゃあ、なんとかしなきゃ」というかたちではじまって。

・あまり意識されないかもしれないですが、アメリカとヨーロッパではもうすでに気候変動の影響というものをハッキリと受けていて、かなり危機的な状況なんです。

・世界的に見ると、2010年以降は再生可能エネルギーの値段がすごく下がったので、Googleさんなどははっきり言ってると思いますけど、まず最初に「一番安い電気をしっかり確保しておこう」と考えたら、「再生可能エネルギーやるのが一番だよね」という流れになってきていました。

原発が70%近くを占めるフランス

・ドイツのエネルギーの今現在の目標というのは、温室効果ガスの削減で2030年5%という目標を持っています。そして2045年には「完全なカーボンニュートラルを国として達成する」としています。

・ドイツの目標はまず全体のエネルギーの使用量を、「2050年までに半分にしましょう」という目標があります。

・ドイツの場合は熱で、特に暖房がものすごいエネルギーを使うので、やらなきゃいけないのは断熱です。だから建物で、まず断熱をしっかりとやって、そもそも「エネルギーを使わない家」を建てなきゃいけないんです。

・パッシブハウスといわれる非常にエネルギー性能の高い建物は、壁が80センチぐらい。窓も三重窓で40センチぐらいあるので、ほとんど暖房エネルギーを使わない構造です。そうなると暖房はいりません。

・「雇用を守る」というのはもちろん大切なことではあるんですが、ただ「今の雇用を守るために人が住めない街をつくってどうするんだ」という話もあるわけです。このままいけば将来、ドイツでは気候変動でまともな生活が送れなくなるような地域が増えていくのは間違いないので。